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社労士試験に合格するとかえって「転職に不利」って本当?

「社労士の資格は、社労士業以外の転職にも有利!」
「人生を豊かにしたいなら、社労士の資格を取ろう!」

といったように、資格スクールは宣伝をしている。

しかし、私はそこに一石を投じたい。
たしかに有利になる可能性はあるが、必ずしもそうなるとは限らないからだ。

一方、世間には「社労士試験に合格してしまうと、かえって転職に不利になるからやめておいたほうがいい」と言っている人もいる。せっかく必死に勉強して合格しても、その履歴が人生の邪魔をするようでは、なんだか空しい気持ちになってしまうのではないだろうか。

ハッキリ言うと、不利っていうのも言いすぎだと思う。

ベテラン社労士だろうが単なる合格者であろうが、その先の転職に不利となる “可能性が無いとは言い切れない” が、不利になるとは決まっていないし、逆に有利に働く可能性もある(だがこれも決まってはいない)。

かなり曖昧な言い方ではあるが、有利・不利が決まる要素には、あなたの知識、実力、応用力、状況、環境、タイミング、運、転職先のカラーなど、さまざまなものがある。そのため、有利か不利かを議論したところで大きな意味はないのだ。

とはいえ、ある程度の構えは必要であるから、下記にてお伝えしようと思う。

転職時、社労士合格が不利に働く例

社労士業以外への転職の際、社労士資格や合格履歴が不利に働いてしまう例を、下記に列挙する。

・労働法規にうるさい人だと思われる
・融通の利かない堅い人だと思われる
・なんとなく近づかないほうがいい人だと見られる
・そこまで勉強してなんで非社労士業を選ぶのか?と思われる

・・・まあ最後のは不利とは言い切れないが、はじめの3つは明らかに悔しい例だ。

たしかに、社労士の学習をすれば、労働法には詳しくなる。
それ自体は良いことだが、転職希望先の事業主からしたら煙たがられても不思議ではない。でもそれは、きっとその事業主が何らかのやましいことをしているからなのだろう。ならば、不利になって結構だと思う。

また、ネット上で色々な社労士を観察したり、実際に私が社労士事務所に就職して思うのは、やはり皆さん理屈っぽいということ。事あるごとに、物事の筋やエビデンスや理由を求めてくる人ばかりで、めんどくさいと感じることも多々ある。だから転職時、企業のカラーによっては疑われても仕方がないのかも。

あと、近づきがたいっていうのは、人間性にもよるので、あまり先入観を持たれても、こっちにとっては迷惑な話である。転職希望先がそんな色眼鏡で見てくるなら、こちらから願い下げだ。人間をきちんと見てくれない企業である可能性がある。

転職時、社労士合格が有利に働く例

次は、社労士業以外への転職の際、社労士資格や合格履歴が有利に働く例を、下記に列挙する。

・努力家であると思ってくれる
・職場の労働環境を改善してくれると思ってくれる
・頭がいいと思ってくれる
・適した職務や業務に抜擢されやすくなる

社労士試験は、弁護士試験に比べたら遥かに簡単ではあるが、難関試験である。そのため、履歴書に「社会保険労務士試験 合格」という文字があると、それだけで一目置かれたり、面接官の心に残る可能性があるため、その点は有利といえる。

だが、もちろん転職希望先のカラーによる。有資格者を積極的に評価する会社であれば有利かもしれない(当然そうでない会社もある)。また、社労士有資格者に適した仕事が存在する会社であれば、その部署への配属を前提に有利に働くことはあるだろう。

ただ私が思うに、人間性や仕事のデキる・デキないは、資格の有無だけで判断できるものではない。社労士として社会に大きく貢献したとかならまだしも、社労士試験に合格しているだけの程度で「素晴らしいね」と評価されても、かえってその評価者の観察力を疑ってしまうし、その企業に対しても不安な気持ちを抱いてしまう。

結局はあなたと相手次第!

以上をお読みいただいてご理解いただけたと思うが、結局は企業のカラーや面接官にも左右されるため、一概に有利とか不利とか論ずることはできないし、考えすぎても無駄であるわけだ。

そして何より、面接時、あなたがどうアピールするかにもよる。
というか、これが一番重要なのではないだろうか?

社労士試験の勉強で培った知識を仕事に活かしたいなら、どうやって活かしていくかを具体的にイメージしておく。逆に、もう社労士のことはどうでもいい!って思うなら、なぜそのように思うように至ったのかを、きちんと説明できるようにしておく。

相手が納得するかは分からないが、自分なりにきちんとまとめておくことが大切だ。それで相手が納得するなら良しだし、納得しないならそれまで。その辺は相性も関係するため、無理に自分の意見を曲げてまでして相手に迎合する必要はないだろう。

そもそも、もし社労士試験の合格を知られたくないなら、履歴書に書かなければ良い話だし、自分から話さなければそれで済む話だ(もっぱら受験勉強に費やした期間がある人だと難しいかもしれないが)。

 ※ 持っている資格を相手企業に伝えないのは、別に虚偽にはあたらないというのが通説である。もし心配なら、別の資格を列挙した最後に「等」「ほか」と書いておけば、逃げ道をつくっておける。

社労士試験の受験は再検討すべきか?

私もそうだったが、社労士試験勉強期間(特に1年目)に、時々「このまま受験をしても良いのだろうか」と思うことがあった。

でも、「人生、無駄になることはない!こうやって勉強しているのも、なるようにしかなっていない結果だ。このまま続けてもなるようにしかならない結果であり、やめたとしてもなるようにしかならない結果だ」と思ったので、そのまま続ける選択をした。

なんか哲学的ですみませんって感じだが、まあ、どんな道を選んだとしても、それはそれで正解であるというわけだ。ちょっと加味したのは、「やらず後悔するくらいなら、やって後悔しよう」ということくらい。一度「やる」と決めたら「先のことは合格後に考えよう」と思うようになり、気が楽になったものだ。

社労士試験を再検討する時期はどうしても生じるものだが、受けたいなら受ければ良いと思う。損得勘定も多少は大切かもしれないが、やっぱり「何がしたいか?」だ。

なお、受験を再検討するのであれば、一応下記の記事に目を通していただくことをおすすめしたい。答えになるかは分からないが、何かしらの参考になればいいなあと思う。

社労士になりたいなら、社労士受験をやめたほうがいいかもしれない理由

断念!?社労士試験の受験をやめる前に再確認すべき5つのこと

士業にとってダブルライセンスより重要な「プログラミング」