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メンタルヘルス・マネジメント検定III種とII種は就職に効果あるの??

大阪商工会議所が主催する「メンタルヘルス・マネジメント検定試験」は、若手社員をはじめ、人事労務担当者、社労士、看護師、保健師、カウンセラーなどに、割と知られている試験だと思う。

III種(セルフケアコース)、II種(ラインケアコース)、I種(マスターコース)の3種に分かれているが、中でもIII種とII種の2種は、オススメ資格にもランクインしていたりする。

この資格は、心理学や精神医学でなく、メンタルヘルスの見地からヒトのマネジメントを行うための知識の証明となる。ざっくりいえば、III種は自分自身、II種は直属の部下、I種は社員全般のマネジメントを目的としている。

ではこの資格、これから就職する人にはどんな効果があるのだろうか?

今回は、その点にフォーカスして話を進めていこう。

就職に大きな効果があるとは思えない

先に結論を言ってしまうと、メンタルヘルス・マネジメント検定は、III種、II種ともに、就職に大きな効果があるとは思えない。

その理由としては、

・知名度がまだまだ低い
・上位資格の陰に隠れる
・簡単〜普通なレベルである

が挙げられる。

知名度がまだまだ低い

2006年に認定が開始された資格であるため、歴史は浅い。21世紀に入り、過労死や自殺の増加を背景としたメンタルヘルス対策への関心が高まってきたことに合わせて生まれた資格なのだろう。

それもあってか、会社の重鎮はもちろん、下っ端の採用担当者ですら「そんな資格あるんだ〜」という状況であることが多いのではないだろうか。

社労士事務所に勤めているときでさえ、メンバー誰一人として口にしたことのない資格。それに、顧客から頂く履歴書コピーに目を通しても、看護職の人でさえ、誰一人として資格欄に「メンタルヘルス・マネジメント検定」等の記載がなかった。

歴史ある日商簿記に比べたら、全然知名度は低いだろう。

受験者数も、2019年11月試験で、III種は 5,200 人程度、II種が 9,900 人程度。合わせても、日商簿記3級+2級の受験者数の10%程度。そんな少なさだ。

上位資格の陰に隠れる

メンタル系の資格の代表格といえば、臨床心理士や公認心理師。そして精神科や心療内科を担当する医師や看護師だ。メンタルヘルス・マネジメント関連で就職したいなら、これらの資格のほうが断然強く、信頼もある。

また、人事労務的なマネジメントの観点で見れば、社会保険労務士(社労士) のほうが上位となるため、これまた人事労務の仕事に就きたいなら、社労士の資格のほうが強い。

簡単〜普通なレベルである

III種とII種に限って言えば、簡単〜普通なレベルであり、真面目に勉強すれば、そう簡単には落ちない試験だ(たまにII種が少し難しくなることがあるが、それでも難関ではない)。

そのため、合格したところで、特段就職に効果的とは思えない。良くて「こんなことに興味がある」というアピールになる程度だろう。まあ、それが功を奏す可能性は無いとは言えないけれど。。

なお、I種は論述試験があるため難度が上がるが、知名度の低さや上位資格の陰に隠れることを鑑みると、その苦労が報われるほどの効果があるとは思いにくい。

でも勉強になる!サブ資格として有力

就職には役立たないみたいなことを書いてしまったが、試験自体を批判する気は全く無い。

I種までとはいかずとも、II種の受験くらいは前向きに考えてみてはいかがだろうか。

メンタルヘルス・マネジメントは、より多くの人が興味関心を持つべき内容。知識としても身につけておいたほうが、自分をコントロールしたり、社員をいたわったり、また、職場の状態を改善したりすることに役立つ。

受験しないにしても、メンタルヘルス対策について無関心でいるんじゃねぇ!!とまで私は言う。

また、メンタルヘルス・マネジメント検定の資格がメインとして役立つことがなくても、社労士、保健師、看護師などの関連資格を持っている場合は、サブ資格として、得意分野のアピールにもなる。さらに、アイデンティティの形成にもなる。

まあ、生かし方は色々あると思うので、自己研鑽や自己啓発のため、ぜひ勉強をオススメしたい。

P.S.
社労士資格を目指している人なら、メンタルヘルス・マネジメント検定の勉強は、労働安全衛生法や労働の一般常識の対策に、部分的にはなる。ただ、社労士試験はメンタルヘルス・マネジメント検定の内容をごっそり含むわけではないので、大きなメリットはない。社労士試験対策に追われているなら、そちらを優先しよう。