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役立つ超人気国家資格「宅建士」について思うこと

とあるYouTuberの動画を観たところ、役に立つオススメの資格として「宅建士」が挙げられていた(正確には「宅地建物取引士」というが、以下では一貫して「宅建士」を使う)。

宅建士は、本屋にあるような資格パンフレットにも割とデカデカ載っているし、電車に吊り下げられている予備校の広告でも、デカい字でアピールしてあったりする。また、ネット上では、YouTubeなどの動画のみならず、あらゆる資格系サイトでも超人気資格として取り上げられている。実際、毎年の実受験者数も20万人を超えるという凄まじい人気っぷり。

大事なのでもう一度言う。

実受験者数 20万人超え だ。

これは膨大!!

数年前までは10万人台が続いたが、今のところ3年連続で20万人を超え、しかも増加傾向にある(2020年7月7日現在)。

私が受けた社労士試験の実受験者数は4万人を下回り、その上、最近は減少・維持の傾向にある。なので宅建士試験の受験者は、その5倍以上ということになる。さらに、かの有名な日商簿記3級ですら8万人前後の実受験者数であり、宅建士の受験者数には遠く及ばない。宅建士というのは、それほどまでに人気であり、かつ、需要のある資格というわけだ。

不動産業者など宅地建物取引業を行う事業所であれば、5人に1人は必ず専任の宅建士を置かなければならないため、簿記や社労士とは違って、ある程度の安定性と需要があるといえよう。


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しかし、だ。

不動産業に興味があったり好きであったりするわけでもないのに、オススメの資格であるという理由や、就職できそうだという理由で取得を目指している人も多いと思う。

別に他人の人生なんだからどうでもいいんだけど、どうしても、宅建士資格の神格化には疑念を持たずにはいられない。

宅建士も割と難関な資格なので、そう容易くは合格できない。だから、合格すればそれなりの価値になるし、就職や転職においても、不動産関係であれば大きな強みとなるのは確かだろう。

だが、今 宅建士を取得しようとしている人に単刀直入に訊きたい。

不動産の仕事、やりたいんですか??

・・・「やりたい」「まずはやってみたい」「やってから決める」「とても興味ある」「すごくおもしろそう」「宅建士しか就ける仕事がないと自己分析した」「生きていくためなら何でもする!」等を即答できた方なら、宅建士試験合格を目指すことが大変意義のあるものとなるだろう。

でも、「オススメの資格らしいから」「まわりはみんな受けてるから」「難関だけど手が届きそうだから」「転職に有利と聞いたから」といった理由 “だけ” で取得を目指すのは、(ストレートな言い方になるが)ちょっと浅はかだと思う。本当にそれでいいんですか!?

まあ、勉強していくうちに好きになるならそれで良いとは思うけれど、時間は有限だ。人生も一度きり。本当に宅建士を選んで良いのか、一度よく考える必要があると思う。就職や転職の活動をする際も、不動産関係の事業所の面接では武器になるが、不動産に無関係の事業所の面接では、どうアピールしたら良いかが重要となるだろう(その辺が甘いと「で?」と思われてしまい、プラスにならないし、最悪マイナスの印象となる可能性がある)。

つまり、それなりの求心力を持って取り組まないと、チグハグな人生となってしまいますよ、というわけだ。

これは、宅建士に限らず、何の資格でもそう。

あと、宅建士も、その数が増えれば増えるほど、競争率が高くなる。まあ、宅建の仕事を離職している人の数が分からないのでハッキリしたことは言えないが、20万人を超える受験者がいるとなると、需要と供給のバランスが気になるところではある。


P.S.

資格商法にも留意したいところ。

膨大な数の受験者がいるとなると、予備校も出版社もYouTuberもブロガーも、ここぞとばかりにアピールし、稼ぐことを狙う。

宅建士は、れっきとした国家資格で、活かせる資格のひとつであることは確かなのだろうが、甘い謳い文句を鵜呑みにせず、信念を持って人生を考えていくようにしよう。


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