仲間のモチベを下げる親切心!助けたつもりでも傷つけている!?
人に親切な行いをしたことはありますか?
私は、自信を持って「ある」と答える。昔付き合っていたカノジョがスーパーに財布を忘れたのだが、後々私がスーパーに問い合わせて取りに行き、夜遅くにカノジョん家まで2時間近くかけて届けに行った。
ははは!むずがゆいw
さて、親切にすることはイイことだ。多くの人が、昔から「人には親切にしよう」と教えられただろうし、人に親切にすると「イイ人だ」と褒められたり評価されたりする。親切にした本人も気持ちが良いものだ。
しかし実は、その親切心が、学校や職場や家庭やサークルや恋愛などで、相手を傷つけている可能性がある。
たまに「あんなに親切にしたのに、なんで有難うのひとつも言えないんだ」と言う人がいるが、ひょっとすると、助けたことによって相手を傷つけてしまったからかもしれない。
というわけで今回は、そんな感じのお話です。
<話の流れ>
自発的な親切が招く、ネガティブな結果
2018年にミシガン州立大学などのチームが行った研究によると、自分から進んで同僚を助けた場合には、ネガティブな結果ばかりが得られたそうだ。
相手に感謝されることが少ない上に、相手は自尊心が傷ついたりしたのだ。さらに、助けた本人ですら、その後やる気が低下したというんだから、笑えるよねw
自尊心の低下、モチベの低下、関係性の悪化を招きうる
自尊心が低下すれば、当然にモチベーションまで下がりうる。せっかく助けたのに部下のやる気が上がらないなら、きっと部下のモチベーションは上司のせいで落ちたのだよ。
たとえば、部下がお客さんに対し、難しい説明を一生懸命自分の言葉でしているときをイメージしてほしい。言葉もつぎはぎで、しどろもどろ。
そこで上司が咄嗟に割り込んでささっと説明してしまうと、さあどうなるか。・・・きっと部下は成長しないだろう。部下から「ありがとうございます。上司さんみたいになりたいです」と言われても、部下は内心「私ってこの仕事向いてないのかな」と思っているかもしれない。そして上司に対して畏怖の念を覚える可能性すらある。
まあ、お客さんあっての仕事とかだとお客さんには迷惑かけられないため、やや難しいところがあるけどね。。(ちなみに私が客なら、相手の説明がたどたどしくても、内心エールを送りながら聴く。というか最後まで聴きたいね)。
これは恋愛でも言える。
相手が困ってもいないのに「ここは男らしく助けてやろう」と一方的に親切を施すと、相手に「重たい」「私だってひとりでできるもん」「バカにしないで」などと思わせてしまう可能性がある。
逆に男性がカノジョに一方的に助けられた場合も、「俺は情けない男だ」「恥ずかしい」「お節介な小姑みたいだな!」といった感情を抱くことになるかもしれない。
親切心とは、諸刃の剣なのだ。
親切にした本人もおかしくなる
親切を施した上司も上司で、感謝されないことや思い通りに部下が成長しないことに苛立ちを覚え、次第に部下のことが嫌いになるかもしれない。勝手に親切にしておいて馬鹿じゃね?って話だけどねw
だから、自発的に人を助けるといった親切心は、たしかに大事なのかもしれないけど、相手が明らかに困っていたり、相手から助けを求められたりしない限りは、やたら発動させないのが得策というわけだ。
相手が明らかに困っていたり、助けを求めていたりしたら、助けてあげよう
基本的に、相手が明らかに困っていたり、助けを求めていたりしない限りは、親切心を発動させないほうがいい。
その辺のさじ加減は難しいとは思うが、一度冷静になってみるのが肝心だ。先にからだが動いてしまうような人は特に注意が必要だろう。
また、親切心の裏側には、「親切にしている自分はかっこいい」とか「ここで親切な人を演ずれば、自分の評価が上がるかも」といったやましい心理が潜んでいたりもする。
そういう人は実に厄介だ。そんな人が身近にいるなら距離を置いたほうがいい。あなたが不幸になるだけだ。(でも、そういう人に限って ここぞ というときにサポートしてくれたりして、これまた厄介w)。
でも、見守るような親切心は大切なもの
なんか親切を馬鹿にする中二病みたいなことばかり書いてしまったが、親切心すべてを悪く言いたくはない。
付かず離れず、少し離れた距離感で見守る・・・。
そんな親切心を持つことで、いざ人が困っているときに手を差し伸べることができる。本当に助けてほしいときに、救世主のごとく現れるのであれば、それは間違いなく慕われる存在になれる。
ただ、そこまでの存在になるのは極めて難しい。
極力おごり高ぶりを捨て、観察眼を養い、心に余裕を持たなければ、人を満足に助けることは難しいものだ。
今の世の中の職場には、自己愛が満たされず、周りを見ている余裕がないほど多忙な人が多い。だからどうしても感情の赴くままに動きがちな面もある。
しかしそこで、ちょっとでもいいから、人に親切にすることを意識したいものだ。
そのちょっとちょっとが、仲間の結束、安心感の醸成、生産性の向上へとつながっていくことだろう。