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部下の「主体性」は、上司の承認や傾聴があってこそ身につくもの

よく、「主体性を持って仕事をしろ!」という文句を見かける。要は、自分から進んで仕事に取り組み、指示を受けなくても自ら考え、意見があるなら色々提案しろ!ってことだ。

「最近の新人は主体性がない」
「主体性を持たせるにはどうしたら良いのか」

と悩んでいる人は、きっと多いだろう。

だがそんな人に先に言っておきたいことがある。
それは、

「部下を承認する姿勢を、自ら主体的に見せているのか?」

と。

承認するから、部下はもっと頑張れる

ここでいう承認とは、部下の行為の一つひとつを否定せず、まずは受けとめ、認めることをいう。

たとえば、部下が独自の方法で勝手にデータを修正したとき、あなたなら何と言うだろう?

「勝手にやったら大変なことになるよ!」

と言ってしまうのではないだろうか。

しかしそれだと、部下は萎縮してしまう。「良かれと思ってやったのに一体何がいけないのだ」と悶々とし、上司に対して苦手意識を持つようになるだろう。

もしここで、「自分で考えて修正してくれて、ありがとう」という具合に伝えるとどうだろう。

それだけで部下は、「ああ、この上司、愛がある!」って、思っちゃうでしょう(たとえ愛がなくても)♪ 「修正して良かった」「もっと頑張ろう!」という気にもなる。

ただ、続けざまに「でも、あなたのやり方では危ない」とてのひらを返すと本末転倒。結局否定しているんだから。そこは「では、今度やるときはこういう風にやってみて。そのほうがこうこうこういうメリットがあるよ」と前向きな言い方をすることで、部下は聴く耳を持つし、安心する。

今ここで「保育園児じゃあるまいし!」と思った人もいると思うが、上記のことで部下を変えられるなら、やってみる価値は大きい。人間は、何歳になっても感情的な生き物なのだから。

“上司=承認してくれる人” という図式が成り立つと、部下はどんどん自分の意見を言えるようになる。元々意見を言わない部下に対しても、少しずつ意見を求めて承認していくことで、「あぁ、この人なら大丈夫だ」という気持ちになっていく。

上司と部下の歯車がうまくまわるようになると、部下は主体的に仕事をまわすようになり、プラスアルファの提案も増える。なんていい職場なんだ!ここに就職して良かった!もっと頑張ろう!これはどうかなあれはどうかな!?・・・そういうことだ。

傾聴すれば、部下はもっと心を開く

さらに言うと、上司の傾聴力も、部下の成長には欠かせない。

傾聴とは、部下の話を熱心に聴くこと。上の承認ともつながるが、まずは部下の話を受け入れ、そして気持ちに寄り添うこと。クサい言い方をすれば、人間としての愛を示すことかもしれない。

部下が何か意見を言ったり、事の顛末を説明したりするとき、傾聴できている上司は少ないと思う。

たとえば、部下が重要なデータを誤って削除してしまい、報告しに来た。そのとき、あなたなら何と言うだろう?

「とんでもないことをしてくれたね!重大問題だぞ!」と怒りますか?それとも、「あーあ」と呆れますか?

たしかに、重要なデータを消されたら、上司も腹が立つだろうし、気が気でなくなるだろう。ここは一発厳しく叱ってやらなきゃ!とも思うはずだ。

でも!ここでこそ、上司の腕が試されていると考えるべきところ。

ここはひとつ、部下の話を、まず最初から最後まで、口を挟まずに(質問はOK)聴く。意に反することを言っても、ひたすら聴く。そして「すごく不安じゃない?」とか「心中お察しします」と言ってみる。

仮に部下が開き直って「何がいけないんだ!」と言ってきても、そこは一旦「そう思うのも無理はないね」と受けとめる。「バカか!」と言いたくなっても、あなたは部下に親を殺されたわけではないんだから、落ち着くことが肝心だ。

・・・するとどうなるか?

部下は、以前よりも素直になる。その後の上司の意見も素直に聴くようになるだろう。上司に心を開くようになり、信頼するし、仕事のモチベーションの維持にもつながっていく。

ただ補足しておくと、部下の行為を正当化するのとは違う。データを消してしまったことは問題なので、それを「良かったね」と言ってしまったらダメだ。あくまでも受け止めるにとどめ、一緒に対処法やリカバリー方法を考えていく。データ管理は重大なことであることを示しつつ、前向きに提言する。

それこそ、あるべき姿の戒めだと思う。

ここでも「甘ったれんな!社会はシビアだぞ!」という声が聞こえてきそうだ。でも、その考えできたから、今部下に不満を覚えているのではないでしょうか?部下がなかなか育ってくれないのも、部下が萎縮しているからではないでしょうか?(いや、それでも部下は成長しているんですけどね)

主体性は、安心の土壌から生まれる

以上をまとめると、部下の仕事に対する主体性は、やはり安心の土壌から生まれるというわけだ。

上司は話を聴いてくれる。何かあってもサポートしてくれる。頭ごなしに否定しない。上司がいれば安心。この職場なら頑張れる!

・・・そういう気持ちになった人は、きっと強い。

上司にボロクソ言われながらもやれる人もいるだろうが、そんな人は稀だ。いや、そんな人でも、ボロクソ言われ続けたら、ある日突然心の病が発動することすらある。「なんであの人が?」といった事案はよく聞くぞ?

もしあなたが上司や先輩なら、是非ともその辺を意識して指導や教育にあたってくださいませ。


「部下をいじめたい」と考える上司。これは論外。

「本当は成長しようがしまいがどうでもいいが、成長してくれないとシワ寄せが来るから」と考える上司。これはけっこう多そうなパターンだと思うが、これも良くない。

何はともあれ、成長してもらうには安心の土壌を築くこと。そして職場の皆が、そういった意識を持って日々仕事に取り組むことが大切だ。

そういえば、研修を行なっている企業は多いだろうけど、以上の内容のような人間関係についてを必修としている企業って、どのくらいなんだろう?

仕事のスキルなども大事は大事なんだが、所詮は人間同士の話なんだから、人間論はすべてのベースのはずだ。