社労士試験勉強で捨てるべき5つの常識
社労士試験の合格発表から、早くも10日以上が経過している。合格した人は万々歳。不合格だった人は、とにかく口惜しさを感じていることと思う。
社労士試験の不合格の要因は色々あるだろうけど、自分に合わないやり方や環境で勉強をすると、やはり効率的な学習はできない。
そこで今回は、社労士試験勉強の世界においてありがちな5つの常識(と思われるもの)を、ぶった斬っていく。
ひょっとすると、これらの全部もしくは一部の常識を捨てれば、より自分に合った勉強方法に近づけるかもしれない。ぜひ最後までお読みいただくことをオススメします!
※ お分かりかと思うが、常識とは、試験科目の一般常識のことではありません。念のため・・・。
<話の流れ>
【1】独学は不利という常識
まずこれ。社労士試験を受験しようと思い立ったその日から、多くの人が陥りがちな考え方だろう。
社労士試験は難関試験に数えられるので、自分ひとりの力では無理だと思いたくなるのも無理はない。それに、家族やパートナーだって、予備校などに通うこと前提で話をしてくるだろう。
さらに、実際に予備校などに通っていたOB・OGも多いので、同じことをアドバイスしてくる人も多いだろう。
しかし、“どこでどう学ぶのか?” と “合否” とは、一見つながっているように見えるものの、分けて考えるべきものである。
実際に独学が向いている人だって、もっと多いはず。
集団が苦手。仲間が苦手。講師が苦手。予備校のテキストや問題集が合わない。スケジュールのリズムが合わない。そもそも学習理念が合わない。・・・そんなことを一度でも感じたならば、検討し直したほうが良いと思う。
たしかに予備校は受け身で受けられるので楽かもしれない。でも、どの学習スタイルをとっても、受け身のままの勉強では伸びない。みずから意欲的に学べる環境を見つけ、好きなように勉強しましょう!
もうね、昔の学校や学習塾の、あの「集団こそ正義だ!」みたいな古臭い考え方は捨てちゃいましょう。
社労士試験は、独学でも十分合格できる試験です。と言いたいのではない。予備校を否定するつもりもありません。素晴らしい講師がいて、念には念を入れて磨かれた講義を展開しているのも事実だ。
私が言いたいのは、「独学が向いている人ならば、独学のほうが良い。はじめから思考停止にならず、その選択肢も持とう!」ということだ。
いざ独学でいくことにしたとき、まわりは「独学では無理だろ」と余計な事を言うかもしれない。
そんな古臭い常識は、もう通用しません。
今は、便利なオンライン講座もあるし、書籍も多種多様。自分で好きなようにカスタマイズして、好きなスケジュールで学べる自由さもある。仲間が欲しいなら、Twitterとかでも十分につくれる。つくりたくないなら、つくらないだけ。
今はもう、多様性の時代なんです。
「独学は独り善がりだって、お前言ってたじゃないか!」
そんな声も聞こえてきそうだ。たしかに、過去に私はそう言った。
でも結局、合格しなきゃ意味がない。独り善がりでもいいから、受かっちゃえばこっちのもん。それもひとつの方法なのだ。付け焼き刃で合格したとしても、実務的能力は、やはり社会の実戦でないと身につかないんだから、勉強は独り善がりでもいいんです。
【2】○年以上の学習期間が必要だという常識
ここからは少しテンポ良くいきます!
資格パンフレットを見たりネットで調べたりしていると、「社労士試験の合格には○年以上が必要」みたいな文言が書いてあったりする。
が、こう思いません??
「貴様に勝手に決められる筋合いはねぇよ!!」
・・・まあ、ここまで乱暴な思いを抱かずとも、「え?まじ?」と圧倒されたことがある人なら、かなりの人数がいると思う。逆に、「これだけでいいんだ」と安心した人もいるだろう。
そうですね。
その違和感、大事にしましょう。
まさしく、他人にどうこう決められる問題ではないです。
「1ヶ月でも受かる!」という無謀なことは言わないが、やってみないと分からないことだ。
今の知識量、これまでの経験、試験との相性、学習方法、メンタルなど、そういったものの総合的なバランスによって、どれだけの時間勉強すれば合格レベルに達するかが変わってくる。
「私は1,000時間かかりました」とか「500時間もかけずに合格した!」とか言う人がいるが、それはあくまでその人の結果。
翻弄される必要はないし、賢いとかバカとか、そういうことも無関係。あくまで個人の結果でしかない。
【3】ノートをきちんとまとめるべきという常識
これね、たぶん学校教育とか会社での新人教育に原因があるんじゃない?って思いたくなる。
昔から「ノートはきちんと書きましょう」と教えられ、そのとおりにすれば良い評価が下されたりした。社会人になっても「メモをとれ」「マニュアルを作れ」という有り様だ。
だが勉強において、それは本当に正しいのだろうか。
もちろん、そういったことでモチベーションが上がり、意欲的に学習できるのであれば良いだろう。
でも、面倒に感じたり、うまく活用できなかったりする人も少なくないと思う。「ノートにまとめろ」と昔から洗脳されてきて、思考停止のままノートを作り込んでいやしないだろうか?
ノートをまとめることが目的となっているライティングマシンになってはならないのだ。
ノートをまとめず、誰も読めないような走り書きで済ませている人がいる。テキストに直接書き込んで終わりの人もいる。それで合格した人も現にいる(そう、これら全部私です)。
ノートをまとめないと、その分問題演習やテキスト熟読にも時間と労力を使える。学習はだいぶ効率化できる。
【4】勤めていると不利という常識
勤めながら受験勉強をしている人からすると、フリーの身で勉強している人のことをうらやましく思ったりするものだ。
でも、案外、時間がたっぷりあっても、ついほかのことをしてしまうのが人間のさが。
仕事を辞めれば本当にめいっぱい集中して勉強できる特殊な人もいるかもしれないが、そもそもそういう人は、仕事をしていても十分な勉強ができるスキルを持っているだろう。
実際、社会人でも合格している人は大勢いる。
2020年度の第52回社労士試験の合格者の内訳は、以下のとおり。
会社員(58.4%)、無職(13.2%)、公務員(8.1%)、自営業(4.8%)、団体職員(4.0%)、 役員(3.0%)、学生(1.0%)、その他(7.5%)
どうだろう。これでも勤めていると不利といえるだろうか。
ただし、合う合わないはあると思う。勤めていないほうが勉強がはかどる人もいるだろう。
私が言いたいのは、思考停止になったらダメだ!ってことだ。
【5】難関試験であるという常識
社労士試験の合格率は、近年6%台で推移している。この数値は、決して高くなく、むしろ難関とすら思える。
たしかに、データだけ見れば難関試験といえるし、実際そう扱われている。
だが、そういうふうに思えば思うほど、合格は遠ざかってしまうだろう。
「難しい難しい」と思って取り組むのと、「できるできる!意外に話は単純さ!」と思って取り組むのとでは、理屈の入りやすさは断然違う。難しい条文を読むときも、ほんの少しの意識の違いで、そのモチベーションが変わる。
マイナス思考になるほど、勉強は苦しくなる。もっと厳しいことを言えば、難しいと言っておけば、落ちたときの言い訳にもなってしまう。たしかに難しいのは事実ですけどね。
仕事でも同じ。上司にマイナスなことばかり言われている部下は、仕事に怯え、モチベーションも上がらない。怒られないための仕事をするようになってしまう。
現実を見る目は大切だが、現実は嫌でも見るものだから、わざわざ見ようとする必要はないのだ。
以上、5つの常識をぶった斬ってきたが、これでもまだ常識人間でいたいなら、それでも良いでしょう。自分の学習スタンスや生き方は、自分で決めるものなので。
でももし少しでも合格を近づけたいなら、今の考え方のままで良いのか?を、一度見直してみることをオススメします。