労働時間削減より、いかに労働の質を高めるか?が満足度向上につながる
昨今、いかに労働時間を削減するか?という話題が多い。
でも、時間だけを見ていても仕方がなく、いかに無駄を減らすか、いかに生産性を高めるかを考えないことには、労働時間は削減できない。そればかりか、数字上の時間削減だけしたところで、サービス残業が増えるがオチだ。
もっというと、生産性は社員のモチベーションにも深く関わりがあり、社員のモチベーションは、言い換えれば仕事への満足度とも言えるかもしれない。満足度が高ければ、おのずとモチベーションが上がるからだ。
で、その社員の満足度ってのは、単純に労働時間を削減したところで、高まるものではない。上に書いたようにサービス残業が増えたり、忙しさが増したりして、かえって労働の質の低下につながり、悪循環に陥る。誰も幸福にはなれやしない。
社員の満足度を高めるには、やはり労働の質を高めることが重要だろう。
無駄を減らして効率的に!ってのは当たり前として、もっというなら、皆が「楽しい!」と思えるような職場環境にしていくことだ。
極論すれば、労働時間の削減などせず、残業も毎日たくさんやったとしても、皆が「楽しい!」と感じていれば、きっと大きな恵みをもたらしてくれる。
美味しいものを食べる時間は楽しい。趣味に没頭している時間は楽しい。好きな人とラブラブな時間も楽しい。
・・・そんなとき、人は時間を忘れ、熱中する。「もっと味わっていたい」という気持ちにすらなるだろう。
それと同じで、もし仕事が楽しいものであれば、おのずとモチベーションが上がり、満足に仕事に勤しめて、若い世代の人たちにも「仕事をすることは楽しいことだよ」と胸を張って言えるようになる。
果たして、職場環境の改善を本気になってしようとしている職場は、どれほどあるだろうか?
むしろ日本では、今の若者にすら、「仕事は我慢してやるもの」「給料は我慢代」「楽しくなくても生活のために」といった観念が植えつけられている。しかもそれらは共通認識となっており、ときに同調圧力すら生む。
そういった価値観も一理あるとは思うが、それだと社員の満足度は上がらず、結局強制労働みたいになる。生産性が上がらないから、どうしても残業せざるを得なくなる。残業規制をしても、数字をごまかし、サービス残業が横行するようになる。そしてそれが職場の伝統文化となる。
政府は労働時間の削減をうたっているが、そんなことよりも先に、なぜ労働の質を高めることを強く働きかけないのか。たしかに数字では表しにくい部分だが、かなり重要であり、ベースでもある。
基礎工事の弱い建物は、簡単に傾く。どんなに屋根を軽くしようが、鉄骨を増設しようが、建物の寿命は長続きしない。何度も何度も修理をする羽目にもなる。
労働の質を高められるように、個々人の自己啓発もだが、上層部こそ本気になって取り組むべきだと思う。特にこの不況の今は(たとえ好況でもだが)、労働の質を高められた職場こそ、生き残るにふさわしい。
・・・そして、ここまで読んでくださったあなたにも、是非協力を仰ぎたい。
とはいえ、別に難しいことではないです。
日頃、もしSNS等に書き込むことがあったら、「労働時間の削減よりも、労働の質を高めるほうが満足度UPにつながる!」と声高に叫んでほしい(もちろん小声でもOKです)。
なお、労働時間の削減そのものを否定はしていないので、誤解なきようお願いします。