新型コロナウイルスの影響で仕事を休んだとき、給料はどうなるか

2020年2月23日

新型コロナウイルス(新型肺炎)の感染が、日本中でじわじわと拡大している。

そこで今回、「新型コロナウイルスの影響で休んだとき、給料をもらえるのだろうか？」と気になっている方に向けて、給料の出る・出ないについて、なるべく平易な言葉でまとめてみた。

ただ、内容は2020年2月23日現在、かつ、個別事例には対応していないので、ご注意ください。

＜話の流れ＞

勤務先から休めと言われた場合

こちらからはまだ何もアクションを起こしていないのに、先に勤務先から休めと言われた場合は、「休業手当」が出る可能性が高い（まともな勤務先なら）。

休業手当は、少なくとも、一日分の給料の60％程度しかないが、労働基準法でそうなっているので仕方がない。

もらえる条件としては、勤務先が “自主的” に「休みなさい」とか「こうこうこういう症状がある場合は出勤を停止とする」と命令したり、そういったルールを敷いている場合だ。
※ ただ、何も合理的な理由がないのに、一方的に無理矢理休まされたら、休業手当でなく、給料の全額を請求できる可能性がある。

また、検査の結果が “陰性” であったり、まだ疑いがあるにすぎない段階で、出勤したいのに「念のため休め」と言われた場合も、休業手当をもらえる可能性がある。一方、 “陽性” の場合は、休業手当は出さなくて良いことになっているので、善意で出してくれない限りもらえない。

感染拡大等の懸念により、会社が営業の一部を休業としたせいで休まざるを得なくなったら、休業手当が出る可能性は高い。

ただ、不可抗力要素が大きく、経営者ができる限りの努力をしてもなお労働者を働かせられない場合（在宅勤務すらできないとかの状況）は、休業手当が出ない可能性が高い。

なお、そのときそのときの状況で判断するだろうから、確たる事は言えません。。

自分が言い出しっぺなら、「休業手当」は出ないが、「傷病手当金」がもらえる可能性がある。

傷病手当金は、私傷病で働けない場合にもらえるもので、月給の2/3程度。

感染が怖くて念のため休む場合も、自分から言い出した以上、休業手当は出ない可能性が濃厚。新型コロナやその他の病気になったときも同様。

「じゃあ収入が途絶えてしまうのか！」と思った人もいるだろうが、傷病手当金があるからまあ大丈夫。

ただ、傷病手当金は、連続して３日以上休んだ上で、４日目からしかもらえないという縛りがある。また、医師の証明も必要なので、ズル休みは通用しない。さらに、勤務先から給料が出ていたら、もちろんその分傷病手当金は出ない（収入保障としての役割だから）。

一方、「有給休暇」を取り、満額がっぽりもらうという手もある。ただし、日本の現在の制度では、新型コロナで有給休暇をとっても、残日数は減っちゃう。

そして、以上を組み合わせることも可能。最初の連続３日間は有給休暇で（※元々働かない予定だった日は有給休暇にできないが）、４日目以降は傷病手当金をもらうっていう方法もある。

なお、休むのが長期化すると休職扱いとなってしまうケースもあるため、勤務先の就業規則等はきちんと確認しておいたほうが良いだろう。

中には「給料がほしいから、熱があっても黙って出勤すればいいや♪」と堂々出勤し、その人の辛そうな顔を見た上司が「帰れこのやろう！」と命じ、後々、実は新型コロナだった！と判明するケースも起こりうる。

・・・実務は奇なり。きっと個別判断になるだろう。

上記は、あくまでホワイト企業を前提とした話。

ブラック企業においては、法律どおりにはいかないケースも少なくない。

つ・ま・り、

休業手当がまともに出ない可能性があったり、有給休暇を取りたくても取らせてくれなかったり、逆に有給休暇を取りたくないのに勝手に取らされたり、傷病手当金のことを言うとクビをほのめかしてきたりと、様々。。

きちんと解決したい場合は、弁護士に相談したほうが良いかもしれない。

なお、私は個別相談は受け付けておりませんので、悪しからず。。

最新情報等は、めんどくさがらずに厚生労働省のＨＰにてご確認いただくようお願いいたします。