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153時間超!?三菱自動車工業の男性社員過労自殺の労災認定

おいおい待てったら。
こんなとんでもないニュースが私の目に飛び込んできたぞい。

三菱自社員が過労自殺 残業月139時間、労災認定東京:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061700931&g=soc

三菱自動車工業(東京都港区)の男性社員が、2019年2月7日に自殺をした。
ニュースを基に、彼の自殺までの経緯をまとめると以下のとおり。

・1993年4月 入社
長年プラグインハイブリッド車等の開発に携わる
・2018年1月~ 軽自動車の商品企画に携わる(これまで未経験)
・2019年2月 自殺(直前1カ月の残業時間が139時間超)

残業時間が半端なく多くなっていた原因は、ニュース記事の下記文から分かる。

同業他社と共同開発した軽自動車が19年3月下旬に発売されることが決まり、男性は両社の業務調整や販売店への説明などで多忙になった。

2019年3月に発売だったが、その1~2ヶ月前に、彼は命を絶ったということか。
いろいろと精神的にもプレッシャーが半端なく大きかったことだろう。

また、私が驚いたのは、ニュース記事内の下記の部分。

社外でパソコンを使って働いた記録を含めると、153時間を超える

直前1カ月の残業時間が139時間超とあるも、担当弁護士による指摘では153時間超。

ここでのポイントは「社外で働いた」という点である。
「社外」というのは曖昧な言葉だが、自宅での、いわゆる “宿題” も含まれるだろう。

今回の三菱自動車工業の使用者や経営者がどう考えていたかは分からない。でも私の憶測では、世の中の多くの使用者・経営者は、会社の外で仕事をさせればセーフだと思っているのではないだろうか。つまり、「宿題にすれば何時間でも働かせられる!俺賢い!」という考えているかも?ということだ。

私の身近にも、(自殺してしまった人ほどひどくはないが)似たような状況に置かれている人がいる。
その人は、仕事を家に持ち帰ってすることがあるそうだが、残業代が出るか訊いてみたら「出ない」とのことだった。私が「それは自主的にやってるの?」と訊くと「そう」と言った。でも、どうやら家に持ち帰らないとやれない量らしい。

それって、あくまで私の常識では、間違いなく “労働” で “残業代を出すべき” だと思うけど、違う??
仮に法的にスレスレであっても「出せよ」と言いたいし、もし私のところに誰か相談に来たらそう言うだろう(ま、来るわけないけどw)。

労働時間なのにサボって宿題せざるを得ない状態になったのであればそれは本人の勝手かもしれない。でも、普通に労働していても仕事が残り、それをほかの誰でもなく当の本人がやらなければならないような状況で帰宅させられた場合、それは「家で残業しろ」という黙示があったものと見るべきだと思うのだが・・・。

まあ、この手の話はケイスバイケースで判断することになろうから、ここでいくら力説しても仕方がない。
気になる方は、下記の記事でもお読みいただければと思う(たらいまわしw)。

持ち帰り残業で残業代が出る?判断基準と3つの対処方法を徹底解説(クエストリーガル ラボ)

それにしても、ひと月の残業153時間超ってえぐすぎる。30日出勤として平均値を出すと、1日で5時間超。20日出勤であれば1日で7.6時間超となる計算。ざっと、残業0の人の約2倍ほど働いていることになる。

厚生労働省労働基準局により示されている業務による心理的負荷(ストレス)の評価基準においても、月160時間程度の残業は「特別な出来事」とされ、それだけで心理的負荷の強度は 。労災認定される可能性が高くなる。153時間という数字は、160時間の一歩手前なので、いかにえぐいかが分かる。

そういえば、私が社労士事務所に勤めていたときの上司も、かつてはみんなの2倍働いていたって言っていたなあ。口では「ひどい」と言っていたものの、そのときの表情は「俺、すげぇだろ!」と言わんばかりのもの。

・・・くっ、なにもすごくないよ。

その上司の日々の発言には「我慢=美徳」的なことが多かった。
日本の多くの人は、その上司と同様に、いまだその考えが根底にある気がする。

でも、不思議だよなあ。

ネットではブラック労働に苦言を呈す人がけっこういるのに、実際の世の会社は、その多くがいまだ我慢を美徳とし、残業に励んでいるもんな~。

口では「残業は悪」と言っておきながら、やはり子どもの頃から植えつけられた「我慢=美徳」という精神は覆せないのだろうね本能的に。三つ子の魂百までともいうし。
そして、残業はするまいと分かっちゃいるけど、仕事をしないと自分のキャリアにも響いたりするとなれば、どうしても我慢をしてしまうとかね・・・。守るべき人がいれば、余計にね。。。

だけど、我慢すればするほど、誰かを泣かすことになることを忘れてはならない。
三菱自動車工業の社員だって、自殺してしまったことで、いったいどれほどの人が悲しんだことだろう。彼は、自殺したくてしたんじゃない。もっともっと生きたかったはずだ。

本当に大切なものはなにか、冷静になって考えたいものだ。
切羽詰まってくると、正常であるはずの思考回路はショート寸前・・・というかショートするので、正常なうちから、みんながそろって健全な働き方や生き方をマジメに考えるべきだろう。

グチグチ言っても仕方がないので、ここらで筆を置きます。