★当ブログでは、Googleアドセンス広告や、記事によってはアフィリエイト広告を貼付しております。

社労士試験をかき回す無勉強の層

受験生時代、私は2ch(のちに5ch)をしょっちゅうROMっていた。トイレの落書きみたいなものも多かったが、それがけっこう面白かった。

独学だった私は、社労士試験にまつわる情報交換や交流が無かったものだから、2ch・5chを見ることで、受験生の生々しい声や裏話を拾っていた。

そこである日、社労士試験関連のスレを見ていたら、「無勉層」という言葉が目についた。意味は、その字面どおり、無勉強の層。大して勉強もせずに受験する人や勉強期間がわずかな人、そして全く勉強もせずに受験するだけの人などを指すと思われる。

で、どうやら、その無勉層が社労士試験をかき回しているとか。

どういうことかというと、社労士試験の合格基準点や科目別基準点(足きりと言ったりする人もいる)の変動のカギは、その無勉層が握っているやらなんやら。

詳説するとなると大変なので掻い摘んで言うと、社労士試験の合格基準点や科目別基準点は、受験生たちの得点分布によって変わってくるのだ。だから、全体的に出来が良いと合格基準点があまり下がらないし、ある特定の科目だけ出来が悪いとその科目別基準点が下がりうる(正確には、この調整を「補正」という)。

そこで問題なのは、受験生の多くが正々堂々と学習してきた人であれば、割と納得のいく基準点となる……のだが、無勉層がたくさんいると、本来の基準点から少し低い点数に変動してしまうことがあるというわけだ。

「じゃあ、それなら合格者が増えていいね!」と思う人もいると思うが、実はそう単純な話ではない。下がりすぎてもダメだから、調整がかかりうる仕組みになっているのだ。

また、無勉層というのは、変な先入観を持たず、自分の持つ常識力や勘で問題を解こうとする。さらには、知識で勝負できない分、文章をよく読み、国語力を最大限に発揮したりする。逆に真面目な受験生は、知識があるせいで早とちりしたり思い込みをしたり、勘や常識力が鈍ったりする。

それらは特に、選択式での労働の一般常識(以下、労一)という科目で起こる。この科目では、血眼になって真面目に勉強をした人でも、思うような点数をとれないことがある。それほど労一の試験範囲は広く、出題の切り口も多様で、対策しづらいということだ。

にもかかわらず、なぜか無勉層は、真面目な受験生よりも点数をとってしまったりするのだ。「そんなことあるの?」と思われそうだが、あるんだな〜それが。試験後に家族や友人に労一の問題を解かせたら、なぜか当人より点数が良かったとかねw

するとどうなるかというと、労一の基準点が下がらず、その基準点に満たなかった真面目な受験生が不合格となってしまう。本当はそれなりに難しい問題であっても、無勉層が妙に点をとってしまった結果、本来あるべき基準点にならないという事態に陥るわけだ。

※ 労一を例にあげたが、他の科目でも、奇問が出たりすると同様のことが起こりうる。

でも結局、無勉層には合格できるだけの実力がないので、当然のように不合格。真面目な受験生も、無勉層の影響により、その多くが不合格になるという結末を迎える。

以上こそが、社労士試験の合格率が低くなる大きな原因だと考察している人もいる。2ch・5chでも、無勉層の破壊力に怯えている人がいた。

たとえ無勉強でも受験することは良い経験にはなると思うが、対策はなるべく早いうちから真面目に行っていただきたいものだ。かき回すだけのために受験する人もいるかもしれないが、そういうつまらないことに心血を注ぐ暇があったら、もっと自分の為になることに労力を費やすべきだろう。

◆参考資料◆
社会保険労務士試験の合格基準の考え方について(厚生労働省)※令和元年度版