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Excel(エクセル)を100%は信用せず!電卓による検算のススメ

この前、Twitter で Excel(エクセル) について話題になっていた。
あるテレビ番組で、Excel で SUM 関数が使える女性をリケジョと呼んでいたことが、本当のリケジョたちの逆鱗に触れたらしい。

まあそれはさておき、それを機に、Excel の利便性や電卓の有用性などを再考してみた。

昨今、「 Excel を使いこなせない奴は無能」だとか「 Excel さえあれば電卓はいらない」といった声が聞かれることがある。

・・・果たしてそうだろうか?

私自身 Excel を使いこなせてはいないので、Excel がどれほど万能なのかはよく分からないが、何事においても、ひとつのツールにこだわるのはよろしくないことは間違いなく言える。

私が勤めていた社労士事務所では、Excel を頻繁に使い、大量の計算や複雑な計算はほとんど Excel に頼っていた。きっと日本中のあらゆる企業で、Excel はこき使われていることだと思う。

Excel は非常に便利だ。単純な四則計算はもちろん、平均値を求めたり、条件を指定して計算したり、数値を整理して美しくしたりと、関数さえ扱えれば複雑な処理が可能。さらには、芸術的な絵まで描けてしまう模様。だから、使いこなせる人にとっては神ツールに違いない。

しかし、Excel を扱うのは誰か?
といったら、それは “人間” だ。当然、ヒューマンエラーが起こりうる。

そのヒューマンエラーっていうのがクセモノ。
正しく処理を進めているつもりでも、小さなミスや勘違いが重なったり、盲点に気づけなかったり、はたまた計算や表の概念からして間違っていたりする。木を見て森を見ず状態にもなれば、森を見て木を見ず状態にもなるというわけだ。

100%正しく Excel を使いこなせて、かつ、頭の回転が非常に良い人だと、Excel だけでも事足りるのかもしれない。Twitter 上で Excel を神格化している人は、さぞかし超優秀な人なのだろう。

ところが、人間はほとんどの人が凡人である。それも、歳を重ねたり経験を積んだりするごとに、これまでに学習してきた情報を基盤として物事を見たり判断したりする傾向にある。思考力が高くなっても、同時に思い込みも大きくなり、多元的な視点を忘れたりもする。

つまり、Excel だけを信用するというのは、ひとつの視点しか持たないことを意味する。「Excel は優秀」と高をくくっている人ほど、注意が必要。「俺は絶対に車の運転で事故りはしない」と豪語している人となんら変わらない。

私がいた事務所では、Excel からインポートした(=取り込んだ)給与データは、必ず電卓を使って検算をした。逆に、完了済みの給与データをエクスポートして(=吐き出して)いじったときも電卓で検算した。さらには、行政がかかわってくる重要書類の場合、そもそも Excel に取り込むだけ無駄なこともあり、その際の細かな検算は当然電卓で行った。

電卓で検算することで、Excel で正しく計算したはずの値が間違っていることや、列や行のズレや関数のミス、予期せぬ盲点に気づくことがある。

私はこれまで、Excel だけに頼り切ってしまったことで、ミスに気づかず、そのままデータをお客さんに送って所長にこっぴどく叱られたことがある(しかも1回だけではない)。住民税の納入書に記入する金額についても、電卓による検算をせず、給与データから吐き出したデータだけを見て機械的に記入したせいで、自分でおかしたミス(途中で欄がズレていた等)に気づけなかったことがある。

まあただの馬鹿なんだけど(笑)、
そういった経緯もあり、電卓による検算の重要性を身に染みて感じた。これは自分だけではない。人間のやる業である以上、多かれ少なかれ起こりうることだ。

また、Excel を使うときは、当然パソコンに向かうことになる。その際、だんだんと目がチカチカしてきて頭が重くなる。そこで、データが一通り完成したら、印刷をかけ、紙面でもって電卓検算を行う。すると、ブルーライトを浴びる量が減ることで気分転換にもなる。画面から紙面になるだけで、モノの見方や思考回路も少し変わるような気もするのだが、実際どうなのだろう。

「電卓で検算するのはダサい!非効率!老害!」といった声もあるが、正直言うと、そういった一方的なモノの見方が一番危険なのだ。なにも電卓にこだわる必要もないが、別の視点を持ったり、小回りの利くツールで確認をしたりすることが大切なのではないだろうか。

私は Excel を使いたくないのではない。Excel は便利で、業務の効率化のためには欠かせないツールであることは間違いないし、Excel を馬鹿にする人もまたダメだと思う。

今回は、それを前提とした上で、例として電卓による検算の大切さをお伝えしてみた。

一番仕事ができる人は、おそらく、場面ごとに最適とされるツールを適宜使いこなせる人だろう。

そういった意味で、電卓はまだまだ捨てたもんじゃない。こんなにも小回りが利いてストレスの無いツールは、ほかに無いのではないか?(まあ、この辺は感性や価値観も多分にかかわってくるとは思うが…)

P.S.
あと、電卓を極度に嫌う人は、電卓そのものが嫌いなのではなく、電卓を執拗に勧めてくる “人” のことが本当は嫌いなのではないか?と思うことがある。