★当ブログでは、Googleアドセンス広告や、記事によってはアフィリエイト広告を貼付しております。

社労士試験合格者にはファイナンシャルプランナーの資格など必要ない

社労士試験の受験生や合格者には、ファイナンシャルプランナーの資格を取得したり、取得しようとしたりする人が多い。

かくいう私もそのひとりではあるが、ここでひとつ、ヤル気を削いでしまうかもしれないことを言うと、

社労士試験合格者には、ファイナンシャルプランナーの資格など必要ない。

ファイナンシャルプランナーの資格といってもいくつかあるが、有名なものとしては、国家資格である「ファイナンシャル・プラニング技能士(FP技能士)」がある。ファイナンシャル・プラニング技能検定を受検して合格すれば技能士を名乗れる。

ファイナンシャル・プラニング技能士は国家資格だから、詐欺みたいな怪しいものではないし、別に取っておいても損はないだろう。

ただ、これは宣伝がすぎている。

新聞や雑誌などに人気の資格として掲載され、特に社労士界隈や税理士界隈では、「ダブルライセンスにおすすめ!」とかいって受検を促されていたりする。

社労士等にはFP技能士の大きなメリットなし

FP技能士を持っていたところで何か大きなメリットがあるかといったら、

別にそうでもない

名称独占はできても独占業務は存在しないので、ただ名刺やプロフィールに載せることができるだけ。

強いて言えば、「あ、この人はお金に興味があるんだ」と思われる程度。
いや、それならまだ良いが、世の中の多くは、案外FP技能士の存在やFPの意味すらよく分かっていないし、逆に詳しい人からすると「そこそこ勉強すれば取れる資格(1級を除く)」といったところだろう。

何も資格を持っていない人ならそこそこアピールにはなる可能性もあるが、社労士の資格を持っている人なら、そこまでアピール材料にはならないよね。

しかもFPで習う内容のうち、資産だったり税金だったり相続の話だったりは、社労士として業務に携わるとある程度知っておくべき内容でもあるから、FP技能士の資格があろうがなかろうが関係なくなる。それに世間から見たら、社労士ならそれくらいのこと知ってるでしょ的な感じだったりするから、そうなるとFP技能士の資格はやはり関係なくなる。

さらには、FP技能士の資格を持っているだけでは、社労士の独占業務である労働・社会保険諸法令にもとづく書類の作成や提出代行は許されないし、税理士の独占業務である確定申告書類の作成や税務相談なども許されない。つまり、特段強いとまでは言えない。

さらにさらに、FP技能検定システム自体、既得権益によるもの(官製ビジネス)であるとの見方もある。このあたりの詳しい話は私には分からないが、実際にバンバン宣伝や広告を出している以上、安っぽい印象がぬぐえないのは確か。「FPを取っておけば就職に強い!」と書いてあったりして実に眉唾物だ。資格スクールもそれに便乗しているし。

別に取得しても無駄ではないとは思うが、特に必要となるものでもないので、もし「どうしてもFPを取らなきゃ!」とか「FPで給与UP!」とやみくもに考えている社労士試験合格者がいたら、再検討をおすすめしたい。

転職にもあまり役立たないFP技能士

残念なことに、転職でもあまり役に立たないようだ。

これについては、メガネ転職コンサルの池田佑樹さんがYouTubeの下記動画「転職に役に立たない国家資格3選」で力説しているので、参考にしてみてはいかがだろうか。

FP技能士を取得するメリットはこれっぽちもないのか?

社労士や税理士がFP技能士の資格を取得するメリットはあまりないが、士業の人に限らず、

あとは本人の気持ち次第

といったところだろう。

たとえば、資産、保険、金融、税金、相続や贈与などのお金の基礎知識を幅広く得たい場合に、FPの勉強自体は為になると思う。そのとき、FP技能検定合格を目標に勉強を頑張ることは、何ら悪いことではない。

また、国際的なFP資格にAFPやCFPというものがあるが、特にCFPは世界で通用し得るため、それの取得を目指している道のり上に、FP技能検定を位置づけている人も多いだろう(CFPの試験の受験資格にかかわっていることも大きい)。このように社労士や税理士とは異なるフィールドで活躍したい人は、FP技能検定1級までの受検を検討しても良いと思う。

ただ、やみくもに「ダブルライセンスとして強そうだから」とか「社労士という資格に箔をつけるため」とか「就職に強そうだから」と考えているにすぎないのであれば、大きなメリットはない。FP技能士の資格を命がけで活かす覚悟がないなら、取得する必要性は特にない(お金の勉強はしたほうがいいけど)。

FPをとって自慢している人はただ痛いだけだ。

気をつけよう!

勉強することは素晴らしいこと

矛盾しているような言い方になるが、「受検をやめろ」と言っているわけではない。「自分にとって必要だ」「取っておかないとモチベーションが上がらない」と感じるなら、受検して合格をしてしまおう。

FPに関しては多種多様なテキストがあるが、3級程度であれば、どの市販書を使っても大差ない。

一方、2級になってくると、AFPを取得したいか否かで話が変わってくる。私はAFPは取らないつもりだったのできんざいのテキスト(PR) を使ったが、AFPも取りたい人は、大原やフォーサイトなどの通信教材などを利用してみると良いだろう。

※ AFPについてよく分からない方は、日本FP協会のサイトを参照。

・・・というわけで、少々耳(じゃなくて目)が痛いことを述べてきたが、別に受検を否定するつもりはまったくなく、単に「期待するほどのメリットはないですよ」と言いたかったまでである。

でも、物事は捉え方次第。

経験から分かることは、頭で考えて分かることの何倍も多いと思う。

ただ、人生は限られた時間なので、今の自分には何が必要か、よくお考えになることをオススメいたします。