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社労士法にある「品位」って一体何?

社労士試験の勉強をしていたとき、ひときわ輝く星のように、気になった言葉があった。

それは「品位」。

条文はこれ(令和2年2月現在)。

第一条の二 社会保険労務士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正な立場で、誠実にその業務を行わなければならない。

そう、「常に品位を保持し」とある。

・・・え?品位??

品位って何だろう??

上品な言葉遣いや所作のこと?誠実に生きること?ひょっとして外見的な意味も含む?

・・・残念ながら、品位とは何かを説明している条文はないし、公式見解も、私の知るところでは存在しない。

なのでとりあえず「品位」という言葉を辞書で引いてみた。

グーグルの検索では、

ひんい
【品位】
1.
人に自然と備わっている、心の高さ。ひん。
「―を保つ」
2.
量で定まる、対象物の質。

と出てきた。

今回の場合だと1の意味になるだろう。なるほど、品位は自然と備わっているものなのか。じゃあ、自然に備わっていない人は、その時点で社労士たる素質がないってわけだな。

そしてもう少し踏み込んで調べてみると、Wikipedia では詳細に説明されていた。

品位とは、気品や品格、人品などともいい、個人ないし特定の団体が、礼儀や節度や人徳、気高さに富む様をいう。またそうした、品位の保持は人々より尊敬或いは信用を受けるとされる。(中略) 価値観も一定ではない。いずれにせよ、身だしなみや言葉遣いはもとよりルールやマナー(作法を含む)、立ち居振る舞い、他者や周囲への気遣い・気配りなど日常的な自律的行動が品位の醸成につながるとされることは確かである。(中略) 品位は家庭教育や学校教育の他、社会的な鍛錬などにより洗練されることも多いが、最終的には個人の心がけによるものである。また、身だしなみやマナーや行儀作法の修得といった外面的な修練も品位には欠かせないが、基本にあるのはむしろ内面にあるといえる。例えば、落ち着いた態度や節度、言葉遣い、他者や周囲への気配り、遠慮、謙虚さなどが重要な要素である。 外面的に品位の保持に努めたとしても、それに相応しい行動や気配りが伴わなければ評価を受けず、人徳が豊かであっても自己流で他者から評価されなければ品位あるともみられない場合もある。 社会的には、就職活動に際しての、身だしなみや言葉遣い、態度が評価される他、営業や交渉、催しの開催に際しての対応、公的な場での言動などにおいて品位が問われる場も少なくなく、公務員や公的な資格に基づく職業については法律にて品位の保持が規定されているものもある。 このような、品位の保持とは自ずから心がけとして行うものであり、他者に見せ付けたり、強要することは本来の様ではない。さり気なく自然に備わる様であるといえる。

Wikipedia 2020年2月15日時点

途中で読むのが億劫になるくらい、詳しく説明されていた。さらには、「法律で品位の維持を義務付けられている地位・職業」の欄には、社会保険労務士も挙げられていた。

これで、社会保険労務士にとっての品位とは何かが、何となく分かった。

私なりに解釈をすると、品位とは、、

“外面のみならず、内面(マインド)として常日頃から意識するものであり、法律やマナーをきちんと守りつつも、人々に対して気くばりや配慮をし、信用や信頼の置ける言動・行動をするための心がけや、滲み出るオーラ”

だ。

チンピラのような人から何か相談を受けたときも、乱暴な言葉で突き返すのではなく、大人な態度を保持し、その人が良い方向へ向くようにアドバイスや助言をする。

ブラック企業の社長から違法まがいなことを隠してほしいと頼まれても、やたら感情的にならず、毅然とした態度をとり、違法を許さず、かといって社長を敵視したり人格否定するわけでもなく、法を守ることでもたらされるメリットや良い影響を教え、心を入れ替えてもらうようにうまくアドバイスする。それでもダメなら、その人とは潔く縁を切る。

自分が社労士試験合格者あるいは社労士だからといって、それを鼻にかけたりせず、一人間として、礼節を重んじ、謙虚な振る舞いをする。

信頼の置ける身だしなみを意識し、ヘアスタイルや服装、そして衛生面や美容面を整え、清潔感を保ち、安定感のある様を常に意識し、単に外見をいじるのみならず、内面から整えられた人間を目指す。

・・・などなど、掘り下げれば色々と思い浮かぶ。

それらが正しいかどうかは分からないが、やってみれば徳が高くなる気はするし、なにも社労士に限らず、人間としての問題であると思う。

実際、社労士事務所に勤務していると、「こんな人が社労士?」と思えるようなことが多々ある。

皆人間なので欠点はあって良いのだが、酒に溺れて変な発言をするとか、風邪を引いているのに咳を吐きかけてくるとか、まともに勉強もせずに自分の意見を正しいと言い張るとか、時間外のタダ働きを強要するとか、会社の違法まがいなことを「サービス業だから仕方ない」と見て見ぬ振りをするとか、社労士にもそういう人は存在する。

ビジネスをする上では仕方がない面もあるのは重々承知してはいるものの、あまりに度が過ぎていると、社労士という職業に、私は失望しかけてしまう。実際、社労士はブラック士業だとかブラック企業の味方だとかささやかれたりするが、一人前の社労士を目指している私としては、実に悲しいことである。

いい加減、損得勘定だけで動く社労士は淘汰されるべきだし、社長さんたちも目を覚ましてほしい。

労働者が笑顔で元気に安心して働ける職場づくりをすることが、長い目で見れば生産性の向上につながると私は信じている。

下品なやり方でしか儲けられないなら、それは社労士の仮面をかぶっているだけで、正真正銘の社労士業とは言えないのではないだろうか。

これからは特に、そういう時代となるはずだ。