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助成金申請では顧問料とは別に報酬を頂くべし!という話

新型コロナの影響で、私のいる事務所にも助成金の相談がくる。たとえば、雇用調整助成金や、働き方改革推進支援助成金などがある。

これらの助成金は、所定の条件満たすと受給申請ができるようになっている。

今回は雇用調整助成金を例にお話を進めるが、かなりざっくりいうと、売上が前年より下がり、従業員を休ませて休業手当を支払ったときに申請することができる可能性があるのがこの助成金だ(社労士界隈では「雇調金」と略したりする)。

さてこの雇調金、2020年5月現在、本来であれば綿密な計画や申請書を提出して申請をすることになっている。そこで今は、新型コロナの関係で、簡略化されたはされたのだが・・・。

雇調金の申請はかなりめんどくさい。簡略化された現在でさえ、めんどくさい。

何がめんどくさいかというと、とにかく曖昧なことは書けないし、不備が1つでもあれば受給できない可能性すらあるわけだ。お金を頂くということは、それだけシビアなものであるということ。

これが自分の会社に関しての申請であればまだいい。だって、自分の会社のことは自分がきちんと把握しているし、いざ審査落ちしても、ほぼ自分が損するだけで済んだりするから。

でも、社労士事務所が顧問先から引き受けるとなると、話が違ってくる。

人さまの重要な情報をお預かりすることになるため、まずきちんとした管理が必要。また、下手なアドバイスをすれば、何かあったときに我々のせいにされる。書類不備ひとつとっても我々のせいだから、顧問先には詳細な説明が必要になるし、誤解もあってはならないし、我々も勉強や用意周到さが欠かせない。提出書類がいくつもあるから、それぞれのチェックは欠かせないし、もし不明な点や齟齬があれば、顧問先の力を借りつつ、昔の勤怠や給与のデータを引っ張り出したり、ああだこうだと連絡を取り合う必要もある。

滞りなく申請して審査通過するまでに、実に多大な時間と労力を費やしてしまうのだ。

顧問先の姿勢は受け身だから、ハイハイホイホイと言われたとおり動いていれば済むし、うまくいけばあっさり終わるのかもしれない。でも、社労士事務所の内部は大変なのだ。しかも通常の業務をしなければならない上で行うわけだから、残業は生じてしまうし、土日出勤もありうる。しかも今は新型コロナのせいで、助成金を求める事業主は多く、さらには政府もコロコロと情報を変えるため、イタチごっこみたいな感じになっている。

にもかかわららず、ある顧問先の事業主は、「雇調金の申請をしたいが、日頃の顧問料の中でやってもらえないか?」と言ってきたらしい(担当しているメンバーによると)。

これにはさすがに所長も憤慨していた。「雇調金はめっちゃめんどくせえのに何馬鹿なことを言ってんだ!」と(もちろん本人には言ってないけどね)。

で、そのメンバーが顧問先に対してやんわり報酬を頂く旨を伝えたところ、「じゃあ別の社労士に頼むか、自分でやります」と返してきた。そこで所長は「そのほうがありがたい!そんな面倒なもの、報酬をもらえてもやりたくない。一人でやるってんならどうぞ!やれるもんならやってみろって」と、横でブツブツ言っていた。

上のケースはまだましで、中には、「書類作成や申請は自分たちでするから、困ったときにアドバイスほしい」と言ってきた顧問先もある。。!

それだと報酬を頂きにくいため、結果的に無償サービスとなってしまう。けれど、もし審査に落ちたら、「あなたたちのアドバイスが悪かったからだ」とこっちのせいにされかねない。

・・・どの企業も、今のご時世、経営が大変なのは重々承知しているが、秩序というものは大切だ。これが乱れたら、ビジネスは成り立たなくなってしまう。

そしてそもそも、私たちは無敵のスーパーヒーローではない。まともな人もいるけど、無茶を言う経営者は何か勘違いしているのではないだろうか。

社労士事務所も、こういうときこそ毅然とした態度を取るべきだろう。

100歩譲ってタダでやったとしても、それは現況を鑑みて猶予を与えるに過ぎず、いつかは借りを返してもらわないとな!って思う。