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実務経験0でいきなり開業は無謀!?社労士試験合格後の独立について

社労士試験に合格したときは、喜びというよりも、安堵感や開放感が半端なかった。

急に霧が晴れたような感じになり、「さぁて、これから先どうしよう?」とウキウキした。当時私はフリーランスだったが、開業するか、社労士事務所に就職するか、会計事務所に就職するか、その他の企業に就職するかを迷った。

結果的には社労士事務所に就職したのであるが、世の中には、社労士試験に受かってから開業したいと考える人も少なくないだろう。資格を武器に独立開業することは、非常に素晴らしいことである。

私も開業したいという思いが少しあったのだが、「開業するにしてもいきなりは無謀だ」と思ったので、社労士事務所で経験を積むことにした次第である。

さて、では本当に、合格してからすぐに独立開業するのは無謀なのだろうか?そもそも可能なのだろうか?

・・・今回はその辺りを中心に考えてみようと思う。

条件さえ満たせば理屈上開業可能

まず可能か不可能かという点から言うと、「可能」だ。

ただ、それには条件が必要となる。

社労士試験に合格し、2年間の実務経験を積むか、半年くらい(といってもほとんど自学)の事務指定講習を修了するかがベタな道だろう。そして、社労士登録。これであとは開業するだけ。

もちろん、はじめから社労士補助などで実務経験が2年以上あるなら、合格後すぐに登録してしまえばOK。

登録には高額な費用がかかってしまうが、とにかく開業すること自体はそう難しいことではない。大きなオフィスを構えなくても、自宅の一室でも開業はできる。

要は、試験さえ受かってしまえば、割と簡単に名刺に「社会保険労務士」と刻んで活動できる目前まで来れるわけだ。

開業は無謀!…ではないが、かなりの努力は必要かも

結論から言うと、開業は無謀とは思わない。

人間誰しも初めての経験があって今がある。いつかいつかと言っていても、そのいつかが来る保証はない。思い立ったが吉日で、開業したいならすぐにしてしまったほうが良い。仮にそれで失敗しようが、学べるものは大きいだろう。

行動力のある人だけが、開業しても成功できる!

ただ、相当の努力は必要となるはずだ。もし迷いがあったり、二の足を踏んだりするようであれば、今はまだやめておいたほうが良いと思う。

働き方のスタイルにもよると思うが、社労士事務所に就職した私の 幼い経験から言うと、社労士業というのは実に堅苦しくて地味で、それでいて責任や慎重さが問われ、なおかつプラスアルファのサービスが求められるわけだ。

ミス無く処理するのは当然として見られる。たとえば給与計算で、一箇所間違えて後々訂正となったら、それだけで相手は不安になる。事業主だけに影響があるならまだしも、その従業員の給与額が間違っていたりしたら、従業員は事業主に対して不信感を抱き、辞めてしまったり、最悪裁判沙汰にもなりうる。

さらに、スピーディーかつ効率良くタスクをこなすことも、多くのお客さんは無意識のうちに求めているだろう。残酷なことに、お客さんはなるべく安くて質の高いのを求めている。「分からないことは都度調べればいい」というのも、たしかに大切なことではあるが、とかく分からないことが多すぎて、行政のHPを見たり、行政に電話をかけて確認したりと色々やることが重なり、その最中に別の相談が舞い込んだりもして、意外に時間がかかるし、高度な管理能力も必要となる。

今となってはITの時代なので、メールやエクセル等を使えるのは当然。かつ、アプリ等も駆使して仕組みを築かないと、どんどん時代の潮流から置いていかれる。アナログでやるなら、アナログ好きなお客さんをかき集める必要があるが、ブルーオーシャン、いや、ネイビーオーシャンだろう。

話はまだ終わらない。

お客さんから電話やメールがあったときは、経験が浅いと即答することができない。しかしお客さんからすれば、こちらはプロ。わが上司いわく「お客さんは短気」らしい。「もっとのほほんと生きようよ!」と突っ込みたくなったが、どうやら実務補助員だろうが勤務社労士だろうが関係ないようだ。あっちは即答してくれることを期待しているだろうから、何度何度も「調べます」では、顧問を切られてしまいかねない。

・・・なんかネガティブな事ばかり書き連ねてしまったが、もし実務経験が皆無であれば、とりあえず社労士事務所に就職して、ある程度経験を積んだほうが無難である気がする。

事務所には仲間もいて、知恵を出し合える。波長の合わない上司もいると思うが、失敗しても全責任を負うことはないし、給料も(安いかもしれないが)もらえる。

で、ある程度慣れてきて、開業の意志が強ければ、そこではじめて独立開業すれば良いのではないだろうか。
※ 開業については、あらかじめ上長等とよく話し合っておく必要がある。「わが事務所の名に恥じぬように」とか「ここに勤める以上、○年間は開業したらダメ」と考える人もいるので。

逆に、しばらく勤めてみて「自分は社労士業に向いてないな」と思ったら、そこで改めて次の進路を考えれば良い(まあこれは、はじめから開業した場合にも言えるが)。

独立開業したいなら迷うな!

嫌なことばかり述べてきたが、まあ、どんな仕事にも必ずデメリットはあるもんだ。

「なんとか努力して苦難を乗り越えてやるさ!」という意気込みがあるなら、いきなりの独立開業も良いと思う。最初のうちは、お客さんがいないか少ないかなので、そう てんやわんやすることもないだろうし。相当の努力は欠かせないが、アルバイトしながらやるのも悪くはないと思う。

私は事務指定講習を受講したが、うだるような暑さの日に受けた4日間の面接指導(という名の講義)では、講師の何人かは、合格して事務指定講習を受けてから、実務経験を踏まずに開業したと言っていた。ただ、社交の場にも顔を出し、助け合える仲間をつくる努力をしたり、あと、分からないことは気兼ねなく訊く図々しさを持っていたりと、なかなかアグレッシブだったようだ。

だから、独立開業に対してのエネルギーが強ければ強いほど、いきなりの開業に向いているのかもしれない。

私個人的には、(こんなことを言ってしまって良いのか分からないが)多少お客さんに迷惑をかけても良いと思っている。私の上司とかはすごくお客さんに気をつかうが、「ばっかじゃねーの?」と思ってしまうシーンもあったりするw

逆に言えば、「多少のミスなんてどうってことないぜ!何かあったら自分が責任を負えばいいだけだろ?どんと来いや!!」っていう精神力を持っているなら、独立開業してもやっていけると思う。自分はそこまで真似できないが、そういう人、案外好きw

・・・というわけで、人生経験も実務経験も浅い、青二才の世迷言でした♪

なお、社労士としての開業に関する書籍が色々あるので、面白そうなものを選んで読んでみると良いかもしれません。
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