2020年度 第52回社労士試験の合格発表を見ての感想とお願い
ついに今年もこの日がやってきた。
私は過去の受験者であるが、やはり気持ちが落ち着かない。緊張のあまり腹まで痛くなった。
2020年11月6日。
第52回社会保険労務士試験の合格発表日である、聖なる金曜日。本試験当日とこの合格発表日は、初心を思い出す上でも重要な日だ。
朝8:30過ぎにインターネット版官報をTwitterでシェア。仕事の休憩時間には、試験センターのサイトで合格率や受験者数、合格基準点等を確認。で、仕事を終えてから、下記のように感想をまとめた。
<話の流れ>
合格率についての感想
最も気になっていた合格率は、
2017年度(第49回): 6.8%
2018年度(第50回): 6.3%
2019年度(第51回): 6.6%
そして、
2020年度(第52回): 6.4%
となった。
私は、5.5〜7.5%と幅広く予想していたので、うまいこと予想の範囲内に収まってくれて良かった。
新型コロナの影響で10%くらいになったり、逆に2%台の再来を危惧していたのも、正直少しある。そうはならなくてホッとしている。
合格率は歴史として語り継がれ、社労士試験のイメージにも直結する。だから安定しているほうが望ましいのだ。
ちなみに、「合格率の低い年度に合格したほうが、合格の価値は高くなる」と考える人もいるけれど、合格の価値は変わらないし、ましてや、各年の合格率など覚えている人はそうそういない。是非ご留意ください。
受験者数についての感想
今年は特に気になっていた受験者数(実際に受験した人の数)は、
2017年度(第49回): 38,685人
2018年度(第50回): 38,427人
2019年度(第51回): 38,428人
そして、
2020年度(第52回): 34,845人
となった。
新型コロナの影響で25,000人くらいまで減るだろうと予想していたが、、、ハハッ!めちゃくちゃだな私の直感はw さすがに25,000人は少なすぎた。
でも思ったより多くてビックリした。
苦し紛れなことを言えば、フェルミ推定を使えばもう少し正確に予想できただろう。なお、フェルミ推定は、労一の常識問題等で役に立つ。知らない人は知っておこう。
合格基準点と科目別補正についての感想
以下、選択式と択一式に分けてお伝えします。
選択式
選択式試験の合格基準点は、
2017年度(第49回): 24点
2018年度(第50回): 23点
2019年度(第51回): 26点
そして、
2020年度(第52回): 25点
となった。
が、気になったのはそれじゃない。やはり科目別の補正だ。
科目別の基準点が3点から2点に引き下げられた科目は、まず労一。これは予想どおり。ほぼ確実と言われていたので、意外でもなんでもない。
・・・と思いたいところだが、これまで補正があるある言われて無かったのが労一だったので、この素直な結果は、もはや新鮮に感じる。
そして社一と健保も2点に引き下げ。
なんだかんだ3科目補正。4科目補正なら2015年にあったが、ピッタリ3科目の補正は、実は2009年を最後に無かったんだよね〜!という、どうでもいいトリビアw
択一式
択一式試験の合格基準点は、
2017年度(第49回): 45点
2018年度(第50回): 45点
2019年度(第51回): 43点
そして、
2020年度(第52回): 44点
となった。
45点か44点になると私は予想したので、十分想定内。没問による1点加点サプライズがあったため、予想しやすかったなー。
補正は無し。
その他
今回の合格者の最年少者は20歳、最高齢者は78歳だったそうな。
78歳での挑戦と合格。すごいなぁ。。企業文化に染まり切って思考停止になっているアイツら(←誰だw)よりも若々しくて素敵。
総じて思うこと
まあ、割と良い結果になったと思う。
ここ最近の合格率も安定しているし、試験問題も変なのが減った。今回、コロナの割には受験者はそんなに減らず、十分に “面白くない” 回だったと思う。歴史には残らないな、こりゃ。
でも!
合格された方、おめでとうございます!
これから資格を有効活用するとなると、あらゆる試練が待ち受けていると思いますが、忍耐強く生き抜いてください♪
不合格された方、なんともいえない感情が入り乱れていると思いますが、これで一区切りつきましたね。頑張った自分を、どうか褒めてあげてください。悔しくて悔しくて、気持ちのやりどころが無い人も多いでしょうけれど、その悔しさは、必ずやプラスになります。合格して浮かれて終わりの人なんかより、遥かに人生が豊かになるはずです。そして次に向けて、歩みを進めていきましょう!
・・・そもそも、試験を受けられること自体、素晴らしいこと。もっと乱暴な言い方をすれば、贅沢なことだと思う。
ワガママだね、ワガママ。(←いい意味)
世の中、仕事なんて色々ある。お金を稼ぐ道も無数にある。文句さえ言わなければ、ほんとは資格なんていらない。中には、資格にかける時間もお金もモチベーションも無い人がいる。
にもかかわらず、「社会保険労務士」という士業の資格試験を、わざわざ選んで受験する。
うむ、物好きな人たちだ。
・・・ちがうかな??
社労士を目指す方々へのお願い
これは私個人の思いでもあるけれど、これから社労士を目指す方々にお願いがあります。
実際に働いている社労士の中には、部下にパワハラをしたり、違法まがいな残業や休憩の取り方を容認したり、陰で他の労働者の悪口を言ったりする人がいます。
でも社労士は、品位を保って、公正で、誠実であるべきだと私は考えております。それは社労士法にもあるとおり。
法律違反やその容認はもってのほかです。
人間誰しもガス抜きは必要だけど、人の上っ面だけを見て頭ごなしに否定したり、部下のモチベーションが下がるような指導をしたりする人には、本当の意味での社労士としての資格がないとも思っております。
でも、そういう人ほど、法律を盾にしながら理屈をこねくりまわし、あたかも正しいかのように振る舞います。いや、実際正しいこともあるでしょう。しかし独り善がりで、到底納得できるものではありません。
私は、あなたに願います。
そういう人にならないで!と。
労働者の痛みや経営者の痛みを分かろうとすることはもちろんですが、それよりも、「人間」の痛みを分かる社労士になってほしいと、強く強く願います。
社労士は経営者の味方とよく言われますが、それは正しいです。それを否定はしませんが、より良い組織文化・風土へと改善し、そして「働くって、こんなに楽しいことなんだよ!」と子どもたちに自慢できるような世界を目指す!それが社労士に課せられた使命のひとつだと思っております。
社労士は、ワーク・ライフとヒトに関する専門家でもある。そのプライドを持ってほしいです。
・・・と、おこがましくも、私からの切なるお願いでした。
私は社労士未登録者だけど、その辺のことを意識しながら頑張っていこうと思う。